
この作品のデータ
| 作者 | フィンセント・ファン・ゴッホ | 同じ作家の作品 14点 |
|---|---|---|
| 制作年 | 1888年 | |
| 時代 | 印象派以後 | 同じ時代の作品 105点 |
| 様式 | ポスト印象派 | 同じ様式の作品 19点 |
| 種別 | 絵画 | |
| 技法・素材 | 油彩、カンヴァス | |
| 所蔵 | オルセー美術館パリ | 同じ所蔵の作品 29点 |
| 有名度 | ★★★ | |
| 展覧会 | 東京都美術館開館100周年記念 オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び東京都美術館(東京都)2026年11月14日(土)〜2027年3月28日(日) | これから |
夜空に輝く北斗七星は、実際にはこの方角に見えません。ゴッホは南西を向いてローヌ川の対岸を描きながら、北の空にある北斗七星を同じ画面に収めました。その結果、川面を照らしているのがガス灯なのか星なのかわからなくなっています。有名な『星月夜』より1年早い1888年9月の作品です。
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見どころ
緑とピンクの北斗七星
画面上部の中央から右にかけて、ひしゃくの形に並ぶ星が北斗七星です。ゴッホは弟テオへの手紙で、この星をきらめく緑とピンクと書き、ガス灯の荒々しい金色との対比を説明しています。
水面に落ちるガス灯の光
対岸に並ぶガス灯の光が、縦に長い帯になって川面に映っています。手紙では、反射の色を赤みのある金色から緑がかったブロンズへと下っていく、と描写しています。
手前を歩く二人
右下の岸辺には、寄り添って歩く男女が描かれています。ゴッホは手紙で「色鮮やかな恋人たちの小さな姿」と呼びました。手前の部分は、最初の状態が仕上がった直後に絵具が乾く前に大きく描き直された跡が見られます。
アルルで夜を描く
1888年、南仏アルルに住んでいたゴッホは夜の表現に強い関心を持っていました。9月16日付けで妹ヴィルへ宛てた手紙では、何としても星空を描きたいと書いています。夜は昼よりも色彩が豊かで、星にもレモン色やピンク、緑、青、勿忘草色のものがある、という内容です。青黒い地に白い点を置くだけでは星空は描けない、とも述べています。
同じ9月、ゴッホはまずフォルム広場のカフェテラスから夜空の一角を描きました。のちに『夜のカフェテラス』として知られる作品です。続いて場所を移し、ローヌ川の眺めに取り組みました。
手紙に残された色の設計
完成を知らせるテオ宛ての手紙には、小さなスケッチが添えられていました。空はアクアマリン、水はロイヤルブルー、地面は藤色、町は青と紫と、ゴッホは色ごとに画面を説明しています。実際の画面にはプルシアンブルー、ウルトラマリン、コバルトブルーといった濃い青が何種類も重ねられています。友人の画家ウジェーヌ・ボックに送った手紙にも、この絵のスケッチが同封されていました。
ゴッホの夜の絵には、星のきらめきと並んで、当時まだ新しかったガス灯の光を描き取ろうとする関心が表れています。
『星月夜』へ続く星空
翌1889年、サン=レミの精神病院に入院したゴッホは、渦巻く夜空の『星月夜』を描きます。本作では花のようだった星が、そこでは同心円状の点の輪へと変わっています。
同じ1889年、本作はパリのアンデパンダン展に出品されました。ゴッホ自身はアルルの公園を描いた作品を出すつもりでしたが、弟テオはこの絵を選び、『アイリス』と並べて展示しました。
読んだらクイズ
この拡大は、どの見どころ?

水面に落ちるガス灯の光対岸に並ぶガス灯の光が、縦に長い帯になって川面に映っています。手紙では、反射の色を赤みのある金色から緑がかったブロンズへと下っていく、と描写しています。
次に見る1枚
よくある疑問
- 『ローヌ川の星月夜』はどこにある?
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フランス・パリのオルセー美術館の所蔵です。完成の翌年の1889年に、パリで毎年開かれていたアンデパンダン展で初めて公開されました。
- ニューヨークの『星月夜』と何が違う?
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本作は1888年9月に南仏アルルで、ローヌ川の岸に立って描いた風景です。ニューヨーク近代美術館の『星月夜』は翌1889年6月、サン=レミの精神病院の窓からの眺めをもとに描かれました。星の描き方も違い、本作では夜空に咲く花のように描かれた星が、1889年には同心円状の点の輪で表されています。
- どこで描かれた?
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アルルのローヌ川東岸の河岸で、ゴッホが借りていた「黄色い家」から歩いて1〜2分の場所です。南西を向いて、左にサン・ジュリアン教会とサン・トロフィーム教会の塔、右にトランクタイユ地区へ渡る鉄橋を望んでいます。現地の堤防には、制作場所であることを示す説明板が設置されています。
- なぜ北斗七星が描かれている?
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北斗七星は一年じゅう北の空にある星座で、ゴッホが向いていた南西の方角には見えません。北を振り向けば見える星空を、南西の地上の景色と一つの画面に組み合わせたと考えられています。その結果、星がガス灯の真上に並び、水面が星の光で照らされているように見えます。
フィンセント・ファン・ゴッホのほかの作品
《ジャガイモを食べる人々》 《モンマルトルの風車》 《自画像》 《タンギー爺さん》 《ひまわり》 《夜のカフェテラス》 《ファンゴッホの寝室》 《赤い葡萄畑》 《跳ね橋》 《星月夜》 《花咲くアーモンドの木の枝》 《ポプラ林の中の二人》
出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル



