ひまわり

フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》1888〜1890年
ひまわりSunflowers
1888〜1890年
何がすごいのか

『ひまわり』は1枚の絵ではなく、花瓶にいけた向日葵を描いた7枚の連作を指す名前です。日本にあった1枚は兵庫県芦屋市への空襲で焼失し、現存するのは6枚だけです。ゴッホは中央に『ゆりかごを揺らす女』を置き、両脇に『ひまわり』を飾る展示案を手紙に書き残しています。

見どころ

花瓶いっぱいの向日葵

太い筆致で塗り重ねられた向日葵が、ひとつの花瓶からあふれるように描かれています。同じ構図で本数だけ異なる作品が3本、5本、12本、15本と4種類あります

黄色い家を飾るための連作

ゴッホはこの絵を、アルル滞在時の生活と制作の拠点だった「黄色い家」の部屋を飾るために描いたとされています。同じ構図を繰り返したのは、失敗作の描き直しではなく複数を揃えて飾る狙いがあったためだと考えられています。

『ゆりかごを揺らす女』との三幅対

ゴッホは手紙の中で、『ルーラン夫人 ゆりかごを揺らす女』を中央に置き、両脇にこの『ひまわり』を2点飾るという展示案を書き残しています。この構想は2003年に日本の美術館の企画展で実現しました

南仏の太陽の象徴

ヒマワリはゴッホにとって、明るい南仏の太陽、ひいては理想郷(ユートピア)の象徴だったといわれています。アルル滞在中に集中して描かれた一方、その後始まった精神病院での療養中には一枚も描かれていません。この事実も、ヒマワリに込められた特別な意味を裏づける根拠とされています。

点数をめぐる数え方

花瓶に生けた向日葵という定義であれば7点の制作が広く認められており、現存するのは6点です。パリで制作されたものや花瓶に生けていない構図まで含めると、11点、または12点と数える定義もあります。この記事で扱うのは、ほぼ同じ構図をとる前者の作品群です。

幻となった1枚

7点のうち1点は「芦屋のひまわり」と呼ばれ、日本の収集家のもとにありました。しかし兵庫県芦屋市への空襲によって焼失し、現存する6点には含まれていません。現存作はミュンヘン、ロンドン、アムステルダム、東京などに分かれて所蔵されています。

よくある疑問

『ひまわり』はどこにある?

『ひまわり』は1枚ではなく複数の連作のため、所蔵先も1つではありません。ゴッホが手紙に記した展示構想には、ミュンヘン、ロンドン、アムステルダム、東京にある4点が挙げられています。

全部で何枚あるの?

花瓶に生けた向日葵を描いた油彩画という定義では7点が制作されたことが広く認められており、現存するのは6点です。花瓶に生けていない構図も含めると11点、または12点とする数え方もあります。

なぜ本数が違うの?

7点はいずれもほぼ同じ構図ですが、描かれた向日葵の本数は3本、5本、12本、15本とそれぞれ異なります。制作の目的が習作ではなく、複数をそろえて飾ることにあったためと考えられています。

1枚が焼失したというのは本当?

本当です。『芦屋のひまわり』と呼ばれた1点は日本の収集家のもとにありましたが、兵庫県芦屋市への空襲で焼失しました。現在確認できる現存作は6点です。

基本データ

制作年
1888〜1890年
種別
絵画
様式
ポスト印象派

フィンセント・ファン・ゴッホのほかの作品

《ジャガイモを食べる人々》 《自画像》 《タンギー爺さん》 《夜のカフェテラス》 《ファンゴッホの寝室》 《星月夜》 《花咲くアーモンドの木の枝》

出典・画像について

画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル

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