
この作品のデータ
| 作者 | パウル・クレー | |
|---|---|---|
| 制作年 | 1922年 | |
| 時代 | 印象派以後 | 同じ時代の作品 105点 |
| 様式 | 表現主義 | 同じ様式の作品 6点 |
| 種別 | 絵画 | |
| 技法・素材 | 油彩、チョーク下地、ガーゼ(厚紙に貼付) | |
| 所蔵 | バーゼル市立美術館バーゼル | |
| 有名度 | ★★★名画クイズで出題(全作品の解放) |
パウル・クレーの『セネシオ』に描かれているのは、老いていく男の顔です。題はキク科の植物セネシオの名前に、「もうすぐ老人」を意味するドイツ語を添えたもの。顔はオレンジ・ピンク・黄色・白の幾何学的な断片に分解され、道化師のまだら模様のような仮面に見えます。スイスのバーゼル市立美術館の所蔵です。
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見どころ
円のなかの色面の断片
円形の輪郭のなかに、平らな幾何学的な色面がパッチワークのように並べられています。この見た目が道化師のまだら模様や仮面を思わせることから、「セネシオ」という題名につながったとされています。
眉を作る三角と曲線
左右の目の上には、それぞれ三角形と曲線が置かれています。この単純な形だけで、片方の眉が吊り上がっているような錯覚が生まれます。
線と余白がつくる緊張
輪郭線とあいまいな形、余白の使い方が、クレーの芸術観をよく表しています。単純な図形の組み合わせが、作者の心から生まれる力によって動き出しているかのようだと評されています。
キュビスムを通った顔
『セネシオ』はスイスの画家パウル・クレーが1922年に手がけた作品です。人間の頭部という主題を、色分けされた長方形へと分解する手法にキュビスムの影響が見て取れます。老いた顔という主題を、装飾的で軽やかな幾何学模様に変換している点が特徴です。
単純な図形が動き出す
クレーの制作原理は、線やあいまいな形、余白といった単純な図形の要素を、作者の内面から生まれるエネルギーによって「動かす」ことにあるとされています。『セネシオ』は、少ない要素で顔という複雑な主題を成立させた例として位置づけられます。
バウハウスの教師時代に描かれた
1922年、クレーはヴァイマルのバウハウスで教えていました。『セネシオ』には、アフリカの仮面や人形の文化からの影響と、同じくバウハウスで教えていたカンディンスキーが唱えた正方形・三角形・円による形の言葉が見て取れるとされています。一方で、バウハウスが重んじた原色ではなく、落ち着いた暖かい色調でまとめられている点も指摘されています。
画商の手を経てバーゼルへ
完成後の作品は、画商アルフレート・フレヒトハイムのもとから1927年にドレスデンの画商ルドルフ・プローブストへ渡り、その後ミュンヘンのギュンター・フランケとゾフィー・フランケの画廊に移りました。1929年にはクンストハレ・バーゼルのバウハウス展に出品され、1931年にバーゼル市立美術館がフランケ夫妻から購入しています。以来、同館の所蔵品です。
読んだらクイズ
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眉を作る三角と曲線左右の目の上には、それぞれ三角形と曲線が置かれています。この単純な形だけで、片方の眉が吊り上がっているような錯覚が生まれます。
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よくある疑問
- 『セネシオ』はどこにある?
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スイスのバーゼル市立美術館(クンストムゼウム・バーゼル)の所蔵です。美術館が1931年にミュンヘンの画廊から購入しました。
- 誰が描いた?
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スイスの画家パウル・クレーです。ガーゼにチョークの下地を塗って油彩で描き、厚紙に貼り付けた作品で、制作当時の黄色く塗られた額に今も収まっています。
- 『セネシオ』とはどういう意味?
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セネシオはキク科キオン属の植物の学名で、道端に生えるノボロギク(Senecio vulgaris)もその仲間です。語源はラテン語の「senex(老人)」で、種につく白い綿毛を老人の白髪に見立てています。クレーは副題に「Baldgreis(もうすぐ老人)」と添えており、植物の名前と老いていく男の顔を掛け合わせた題とされています。道化師のまだら模様のような画面から、芸人を指す言葉と結びつける解釈もあります。
出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル



