夜のカフェテラス

フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のカフェテラス》1888年9月
夜のカフェテラスCafé Terrace at Night
1888年9月
油彩、カンヴァス、81.0 × 65.5 cm
クレラー・ミュラー美術館(オッテルロー)
何がすごいのか

客はちょうど12人、中央には髪の長い人物がいて、背後には十字架のような窓枠があります。美術研究家ジャレッド・バクスターは『最後の晩餐』を下敷きにした構図だと唱えています。ゴッホが黒をほとんど使わずに夜空を描いた、数少ない作品のひとつでもあります。

見どころ

十二人の客とキリスト

中央には髪の長い人物がおり、周囲には12人の客がいます。美術研究家ジャレッド・バクスターは、この人数と配置が『最後の晩餐』と重なると指摘しています。背後の窓枠は十字架のようにも見えます。

黒を使わない星空

画面上部には秋の星座がまたたく夜空が広がります。ゴッホはこの絵で初めて、黒をほとんど使わずに夜空を描きました。星座はやぎ座とけんびきょう座の一部、あるいはみずがめ座とも言われますが、はっきりしていません。

去っていく人物

テラスの左側には、影のような人物が去っていく姿が描かれています。ジャレッド・バクスターの説では、この人物は裏切り者ユダに重ねられています。

黒を使わなかった夜空

この絵でゴッホは、初めて黒をほとんど使わずに夜空を描きました。星座はやぎ座とけんびきょう座の一部という説と、みずがめ座という説があり、どちらとも定まっていません。いずれの説でも秋の星座とされています。印象的な星の輝きの表現は、日本の曜変天目茶碗から影響を受けたとも言われています。

モデルになったカフェ

画題になったのは、南フランス・アルル中心部のフォーラム広場に面する『カフェ・ヴァン・ゴッホ』です。1990年代初頭、絵に近づけるために外壁が黄色に塗り直されました。

この絵は大衆文化にもたびたび登場しています。2006年5月にはシャープの液晶テレビ『AQUOS』のコマーシャルに使われ、同年公開の映画『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』にも登場しました。2010年にはSFドラマ『ドクター・フー』第5シリーズの『ゴッホとドクター』で、この絵を再現したカフェテラスが登場し、クロアチアのトロギルにセットが組まれました。

牧師の家に生まれた画家

この構図が『最後の晩餐』を下敷きにしているという説を唱えたのは、美術研究家のジャレッド・バクスターです。ゴッホはオランダ改革派教会の牧師の息子で、父と同じく聖職者の道を目指しましたが断念し、20代後半になって画家を志しました。この絵を描いた頃、弟テオへ『私は宗教が非常に必要だということを毎日感じる』という手紙を送っています。

よくある疑問

『夜のカフェテラス』はどこにある?

オランダのオッテルローにあるクレラー・ミュラー美術館に所蔵されています。ゴッホが南フランス・アルルで描いた作品で、モデルになったカフェは現地の広場に実在しています。

モデルになったカフェは実在する?

はい。南フランス・アルル中心部のフォーラム広場に面する『カフェ・ヴァン・ゴッホ』がモデルです。1990年代初頭には、絵に近づけるため外壁が黄色に塗り直されました。

星空の星座は何座?

はっきりしていません。やぎ座とけんびきょう座の一部とする説と、みずがめ座とする説があります。いずれにしても秋の星座とされています。

『最後の晩餐』との関係は?

美術研究家ジャレッド・バクスターが唱えた説です。カフェの客がちょうど12人で、中央に髪の長い人物、その背後に十字架のような窓枠があり、左側で立ち去ろうとする影の人物はユダとも言われます。ゴッホは牧師の息子で、自身も聖職者を志した過去があり、この絵を描いた頃に弟テオへ『私は宗教が非常に必要だということを毎日感じる』と手紙を送っています。

基本データ

制作年
1888年9月
種別
絵画
技法・素材
油彩、カンヴァス
寸法
81.0 × 65.5 cm
様式
ポスト印象派
所蔵
クレラー・ミュラー美術館(オッテルロー)

フィンセント・ファン・ゴッホのほかの作品

《ジャガイモを食べる人々》 《自画像》 《タンギー爺さん》 《ひまわり》 《ファンゴッホの寝室》 《星月夜》 《花咲くアーモンドの木の枝》

出典・画像について

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