縫物をするジャン・ルノワール

ピエール=オーギュスト・ルノワール《縫物をするジャン・ルノワール》1898年
縫物をするジャン・ルノワールJean Renoir sewing
1898年
油彩、カンヴァス、55 × 46 cm
ヴァルラフ=リヒャルツ美術館(ケルン、コルブー財団寄託)

この作品のデータ

作者ピエール=オーギュスト・ルノワール同じ作家の作品 12点
制作年1898年
時代印象派以後同じ時代の作品 105点
様式—
種別絵画
技法・素材油彩、カンヴァス
所蔵ヴァルラフ=リヒャルツ美術館ケルン
有名度★★★
展覧会ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵名古屋市美術館(愛知県)2026年9月19日(土)〜11月29日(日)開催中
何がすごいのか

長い金色の髪にリボンを結んだこの子は、ルノワールの息子ジャンです。のちに映画監督になるジャンは、父がこの髪を気に入っていたため、7歳になるまで髪を切らせてもらえませんでした。縫物をする姿の絵はシカゴにも1枚あり、こちらはケルンのヴァルラフ=リヒャルツ美術館に預けられている作品です。

見どころ

うつむいた横顔

ジャンは手元の布に目を落とし、口を小さく結んでいます。頬は赤みを帯びた柔らかい色で塗られています。こちらを見ない顔から、手元の作業に気持ちが向いている様子が伝わります。

布をつまむ両手

両手の指先で白い布を持ち上げ、針を通しています。布には青い糸の縫い目が見えます。白い布は、ピンクの服の中でいちばん明るい色として画面の下に置かれています。

髪に結んだリボン

左耳の上あたりに、白とピンクのリボンが結ばれています。肩まで届く長い髪は、当時の小さな男の子のあいだで流行していた髪型です。シカゴ美術館の同じ題の絵では、リボンは黄色で描かれています。

息子の長い髪

ルノワールの息子ジャンは、ごく幼いころから父の絵のモデルになりました。ルノワールは息子の長い髪の「絹のような金色」をことのほか気に入っていました。当時は小さな男の子の髪を長くするのが流行していたこともあり、ジャンが7歳になるまで髪を切らせませんでした。ジャン本人は、それが恥ずかしかったといいます。

この絵でも、髪は肩を越えて背中まで流れています。赤みの強い金色が、背景の深い青とピンクの服のあいだで目立つように置かれています。ルノワールが子どもを描いた作品には、ほかに『ピアノに寄る少女たち』があります。

コルブー財団の一枚として

この絵は、スイスの収集家ジェラール・J・コルブーと、ケルン生まれの妻マリソルのコレクションに含まれています。夫妻は1970年代の終わりから印象派と新印象派の絵を集め、2001年3月に170点を超える絵をケルン市に長期で預けました。美術館は夫妻をたたえて、名前に「コルブー財団」を加えています。

コルブーは、美術館の絵は動かずにいてはいけないと考えていました。そのため、このコレクションの作品は「ケルンの大使」として、各地の美術館へ貸し出されてきました。この絵は、1918年に画商ヴォラールが出したルノワールの作品集にも図版つきで載っています。

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よくある疑問

『縫物をするジャン・ルノワール』はどこにある?

ドイツ・ケルンのヴァルラフ=リヒャルツ美術館にあります。スイス出身の収集家ジェラール・コルブーと妻マリソルのコレクションの一点で、同館に長期で預けられています。

モデルは誰?

画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの息子ジャンです。ジャンは幼いころから父のモデルを務め、のちに名高い映画監督になりました。

いつ描かれた?

ケルン市の文化遺産データベースでは1898年とされています。一方、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館のサイトの図版説明では1900年としており、所蔵館の資料のあいだでも年が分かれています。

シカゴ美術館の絵とは別の作品?

別の作品です。シカゴ美術館の『縫物をするジャン・ルノワール』は1899〜1900年の作で、大きさは55.4 × 46.3 cmです。同館は、モデルを務める間の手持ちぶさたを紛らわすため、子守りのガブリエルがおもちゃのラクダの上着を縫うよう勧めた、というジャン本人の回想を紹介しています。

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