
この作品のデータ
| 作者 | ポール・セザンヌ | 同じ作家の作品 7点 |
|---|---|---|
| 制作年 | 1865年 | |
| 時代 | 近代 | 同じ時代の作品 43点 |
| 様式 | — | |
| 種別 | 絵画 | |
| 技法・素材 | 油彩、カンヴァス | |
| 所蔵 | シンシナティ美術館シンシナティ | |
| 有名度 | ★★★ | |
| 展覧会 | シンシナティ美術館展 ~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~上野の森美術館(東京都)2026年10月10日(土)〜2027年1月10日(日) | 開催中 |
| 展覧会 | シンシナティ美術館展 ~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~富山県美術館(富山県)2027年1月23日(土)〜4月11日(日) | これから |
パンと卵を並べたこの静物画の下には、別の肖像画が隠れていました。2022年、所蔵館の修復家がX線で調べて見つけたものです。セザンヌが制作年を書き入れた数少ない作品なので、下の肖像は年代がはっきりした最初の肖像画になる可能性があります。
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見どころ
対になった玉ねぎと卵
左のピューター(錫合金)のジョッキの前に赤い玉ねぎが2個、パンの手前に卵が2個並んでいます。所蔵館は、セザンヌが物どうしは「語り合う」ように見えると考えていたことを紹介し、この2組をその例に挙げています。
グラスとナイフ
パンの手前の中央に空のワイングラスが立ち、右ではナイフがパンと布の上に斜めに渡されています。布は白地に、かすかな青と赤の縞が入っています。
左下の署名と年
左下に「P. Cezanne」の署名と1865の年が書かれています。セザンヌは制作年をほとんど書き入れなかった画家です。この年記が、下に隠れた肖像画の年代を決める手がかりになりました。
ひび割れから見つかった肖像
2022年、展示を終えて壁から下ろされたこの絵を、主任修復家のセリーナ・ウリーが点検しました。洗浄や修復が必要かを調べるためです。ウリーは表面に不自然なひび割れがあることに気づきました。
本人は「勘が働いた」と語っています。前の絵の上に描かれていないかを確かめるためにX線で撮影すると、食卓の静物の下から輪郭のはっきりした肖像画が現れました。発表の場でウリーは「セザンヌが2点から3点になった」と話しています。
自画像かもしれない理由
この静物画を描いたとき、セザンヌは20代でした。下の肖像が自画像なら、画家の姿を描いた最も早い作品の一つになります。セザンヌは数多くの自画像を残しましたが、そのほとんどは鉛筆によるもので、1860年代よりあとに描かれています。
所蔵館は発表の際、隠れた絵の色などを知るために、多波長撮影や蛍光X線分析による調査を進める方針を示しました。セザンヌ研究者とも協力して、モデルが誰かを調べるとしています。
伝統に逆らった静物画
所蔵館は、この絵をセザンヌの最も早い静物画の傑作かもしれない作品と位置づけています。形を単純にとらえ、絵の具を荒く扱う描き方は、当時の美術界が好んだ伝統的な画風への挑戦でした。
フランスの新聞ル・モンドも、初期の静物画の中でも特に重要な一点と評しています。晩年のセザンヌが果物と器を描いた静物画には、《リンゴとオレンジ》があります。
読んだらクイズ
この拡大は、どの見どころ?

グラスとナイフパンの手前の中央に空のワイングラスが立ち、右ではナイフがパンと布の上に斜めに渡されています。布は白地に、かすかな青と赤の縞が入っています。
次に見る1枚
よくある疑問
- 『パンと卵のある静物』はどこにある?
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アメリカ・オハイオ州のシンシナティ美術館が所蔵しています。1955年に、シンシナティの慈善家で近代美術の収集家だったメアリー・E・ジョンストンが寄贈しました。展示されているかどうかは時期によって変わるため、館の公式コレクションページで確かめられます。
- 絵の下に何が隠れていた?
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X線写真に、静物画に対して90度回転した向きで描かれた肖像画が写っていました。人物は斜めから見た4分の3正面の姿です。所蔵館は、いくつかの特徴から自画像の可能性があるとしていますが、モデルは確定していません。
- なぜこんなに暗い色なの?
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20代のセザンヌは、スペインのバロック絵画やクールベの写実主義の影響を受けていました。所蔵館によると、この絵は1860年代に描かれた十数点の暗く厚塗りの作品の一つです。明るい色を薄く重ねる画風は、そのあとに確立されました。
- サロンには出品された?
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1865年のサロン(官展)に出品され、落選したと伝えられています。
ポール・セザンヌのほかの作品
《梨のある静物》 《水の反映》 《カード遊びをする人々》 《リンゴとオレンジ》 《サント=ヴィクトワール山》 《大水浴図》



