ル・クロワジック

ウジェーヌ・ブーダン《ル・クロワジック》1897年
ウジェーヌ・ブーダンEugène Louis Boudin
ル・クロワジック
1897年
油彩、カンヴァス、49 × 73 cm
アンドレ・マルロー近代美術館(MuMa、ル・アーヴル)

この作品のデータ

作者ウジェーヌ・ブーダン同じ作家の作品 2点
制作年1897年
時代印象派以後同じ時代の作品 105点
様式—
種別絵画
技法・素材油彩、カンヴァス
所蔵アンドレ・マルロー近代美術館MuMa
有名度★★★
展覧会印象派の先駆者 ウジェーヌ・ブーダン展 ―瞬間の美学、光の探求山梨県立美術館(山梨県)2026年9月12日(土)〜11月3日(火)開催中
何がすごいのか

ブーダンが亡くなる前の年の1897年に描いた、海辺の町の眺めです。画面の上半分以上を灰色の雲が占め、町は水平線に沿った細い帯のようにしか見えません。画家の死後、弟がアトリエに残っていた作品とまとめてル・アーヴルの美術館へ贈った1枚です。

見どころ

町並みと教会の鐘楼

水平線の上に、ル・クロワジックの町並みが低く連なっています。その中で教会の鐘楼だけが高く突き出ていて、遠くからでも町の位置がわかります。

水面に浮かぶ舟

画面の左寄りには、帆を張った舟が水面に浮かんでいます。手前にも小さな舟があり、短い筆の跡で波立つ水が表されています。

画面を覆う雲

画面の大部分は、灰色と青の混じった雲で埋まっています。所蔵館の記録でも、描かれたものとして海や舟、教会、鐘楼と並んで空と雲が挙げられています。

弟が美術館に贈った240点

ブーダンの死後、遺言執行人のギュスターヴ・カーンは、ル・アーヴルの美術館に作品を贈るよう弟のルイに勧めました。1900年に贈られた240点は、カンヴァスや板に描いた習作です。どれも画家のアトリエにあったもので、最後まで手元に置いた作品や売れ残った作品、最晩年のスケッチも含まれていました。

所蔵館は、この寄贈を決めたのはルイの故郷への愛着だけではなく、画家の名をフランスの公立美術館に残そうとしたカーンの意志だったと説明しています。この1897年の海辺の景色も、そうしてアトリエから美術館へ移った1枚です。

晩年の海辺の風景

本作では、町と海は画面の下3分の1ほどにおさまり、残りは雲の動きにあてられています。右手前には砂浜が広がり、岸に引き上げられた舟も見えます。

同じブーダンの『トルーヴィルの港の朝』(1888年、ランス美術館)は、帆船が並ぶ港を海の側から描いた作品です。こちらは9年後、亡くなる前年の作品で、町の姿がさらに遠く小さく置かれています。

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よくある疑問

『ル・クロワジック』はどこにある?

フランス北部の港町ル・アーヴルにあるアンドレ・マルロー近代美術館(MuMa)が所蔵しています。収蔵品番号は「B 67」です。展示されているかどうかは時期によって変わります。

題名の「プリーズ・ド・ペンブロン」とは?

フランスの文化財データベースに登録された題名は「Le Croisic – vue générale prise de Pembron」です。「ペンブロンから眺めたル・クロワジックの全景」という意味で、絵を描いた場所を題名に入れています。

なぜル・アーヴルの美術館にある?

ブーダンが1898年に亡くなった2年後の1900年、弟のルイ・ブーダンが240点の作品を美術館に贈りました。この絵はその中の1点で、記録上も前の持ち主はルイ・ブーダンです。すべて画家のアトリエにあった作品でした。

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ウジェーヌ・ブーダンのほかの作品

《トルーヴィルの港の朝》

出典・画像について

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