
この作品のデータ
| 作者 | 歌川広重 | 同じ作家の作品 6点 |
|---|---|---|
| 制作年 | 1857年(安政4年)11月 | |
| 時代 | 日本・近世まで | 同じ時代の作品 42点 |
| 様式 | — | |
| 種別 | 浮世絵 | |
| 技法・素材 | 木版多色刷、大判錦絵 | |
| 所蔵 | 各地に現存版画 | |
| 有名度 | ★★★ | |
| 展覧会 | 特別展 内山晋コレクション受贈記念「歌川広重 江戸のベストアングル」東京国立博物館 本館(東京都)2026年9月29日(火)〜12月20日(日) | 開催中 |
窓辺に座って外を眺める背を向けた白い猫が、この絵の主役です。部屋は吉原の妓楼の2階とみられ、畳の上には酉の市の熊手をかたどった簪が置かれています。窓の外では、熊手を手にした人々が浅草田圃を行き交い、遠くに富士山と雁の列が見えます。
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見どころ
窓辺の白い猫
格子窓の枠に座った猫が、外の景色を眺めています。シカゴ美術館は、猫は部屋の主である女性の見立てかもしれないと解説しています。遊女は、猫の優雅さやそっけなさと結びつけて見られることが多かったためです。
畳に置かれた熊手の簪
左下の畳の上には、熊手の形をした簪が懐紙とともに置かれています。東京富士美術館は、浅草の鷲神社で開かれる酉の市の土産と説明しています。
夕焼けの田圃と富士
窓の外には浅草田圃が広がり、熊手をかついだ参詣の人々が小さく描かれています。空は夕焼けに染まり、遠くに富士山、その上を雁の列が渡っていきます。
祭りの日の吉原
ブルックリン美術館は、この絵が描くのを、吉原の遊郭が一年でいちばんにぎわう日だと説明しています。遠くの浅草田圃を酉の市の行列が通り、手前の部屋はそこから切り離されたように静かです。
この日は「紋日」にあたり、遊女は必ず客を取るものとされていました。シカゴ美術館によると、祭りの日には遊郭が誰にでも開かれ、遊女はいつもより多くの客を取りました。窓辺の手拭いや畳の上の懐紙は、姿の見えない部屋の主を感じさせます。
晩年の連作「名所江戸百景」
版元は魚屋栄吉で、安政4年(1857年)11月に出版されました。「名所江戸百景」は、広重が晩年に手がけた最後の大きな連作です。江戸東京博物館は、この連作を全揃いで所蔵しています。
同じ連作からは、梅の枝を手前に大きく描いた亀戸梅屋舗や、橋に降る雨を線で描いた大はしあたけの夕立も収録しています。どちらも屋外の景色ですが、この図は室内から窓越しに名所を見せる構図をとっています。
よくある疑問
- 『名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣』はどこにある?
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木版画なので原本は1点ではなく、複数の摺りが残っています。ブルックリン美術館、江戸東京博物館、東京富士美術館、シカゴ美術館、ボストン美術館などが所蔵しています。ブルックリン美術館の1枚は、アンナ・フェリスから寄贈されたものです。
- 「酉の町詣」とは?
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浅草の鷲神社で開かれる酉の市へのお参りのことです。絵の中でも、田圃の道を熊手を持った人々が歩いています。畳の上の熊手形の簪は、その酉の市の土産です。
- なぜ猫が描かれている?
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部屋の主である遊女は客の相手をしていて、窓辺には猫だけが残っています。東京富士美術館は、猫が祭りのにぎわいに耳を傾けているようだと解説しています。シカゴ美術館は、猫を女性の見立てとみる読み方も紹介しています。
歌川広重のほかの作品
《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》 《東都名所 日本橋之白雨》 《木曽海道六拾九次之内 洗馬》 《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》 《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》
