としよりのよふな若い人だ

歌川国芳《としよりのよふな若い人だ》1847〜1848年頃
歌川国芳Utagawa Kuniyoshi
としよりのよふな若い人だToshiyori no yo na wakai hito da
1847〜1848年頃
木版多色刷、大判錦絵
各地に現存(版画)

この作品のデータ

作者歌川国芳同じ作家の作品 2点
制作年1847〜1848年頃
時代日本・近世まで同じ時代の作品 42点
様式—
種別浮世絵
技法・素材木版多色刷、大判錦絵
所蔵各地に現存版画
有名度★★★
展覧会五大浮世絵師 歌麿に写楽、北斎と広重、そして国芳札幌芸術の森美術館(北海道)2026年10月10日(土)〜2027年1月11日(月)開催中
何がすごいのか

女性の顔をよく見ると、額も頬も鼻も、裸の人の体を組み合わせてできています。題の「としよりのよふな若い人だ」は、見た目は年寄りのようでも実は若い人だ、という意味です。4図からなる寄せ絵の組物のうち、女性を描いたのはこの1図だけとされています。

見どころ

人でできた顔

横向きの顔の輪郭や頬のふくらみは、体を丸めたり重なり合ったりする人々でできています。少し離れて見ると、ちゃんと年配の女性の顔に見えるように組まれています。

盃をのせた手

画面の下で小さな盃を持つ手も、横たわる人の体を重ねて形づくられています。顔だけでなく、手の指まで人の体で描き分けられています。

左上の詞書

顔の左には、仮名で文句が書かれています。いろいろな人が寄り集まって顔をつくってくれた、人さまのおかげでようやく人らしい顔になった、という意味です。

4図の組物と、その1図

ヒューストン美術館の記録では、この図は題のない組物の1図です。組物は人を寄せ集めて顔を描いた4図の肖像からなり、女性を描いたものはこの図だけです。判型は大判で、1847年から1848年頃に出版されました。

同じ1847〜48年頃、国芳は「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」も描いています。こちらは見た目は怖いが実はやさしい人、という題で、見た目と中身の食い違いを洒落にしている点が共通します。ロイヤル・オンタリオ博物館などが所蔵しています。

摺りによって変わる着物

画像の1枚では、女性は紫地に白い絣模様の着物を着ています。ヒューストン美術館の記録は、着物を青で摺った別の摺りが、シャープの著作『Heroes and Ghosts』に載っていることを紹介しています。かつてテオドール・シャイヴェのコレクションにあった1枚が、1989年にクリスティーズのニューヨークで売られたことも記録されています。

国芳は、この図のような戯画とともに、相馬の古内裏のような怪奇な物語の場面も手がけました。

よくある疑問

『としよりのよふな若い人だ』はどこにある?

木版画なので原本は1点ではなく、複数の摺りが残っています。この画像は大英博物館所蔵の1枚で、ヒューストン美術館にも同じ図柄の摺りがあります。ヒューストン美術館の1枚は、2007年にスティーヴン・ハミルトンから寄贈されたものです。

寄せ絵とは?

人や物をたくさん寄せ集めて、別の大きな形を描き出す絵のことです。この図では、裸の人々を組み合わせて女性の顔と手を描いています。

誰が出版した?

版元は藤岡屋彦太郎です。署名は「一勇斎国芳戯画」で、国芳自身が戯れに描いた絵だと記しています。

着物の色が違う摺りがある?

あります。ヒューストン美術館の記録によると、着物を紫ではなく青で摺った別の色の摺りが知られています。

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《相馬の古内裏》

出典・画像について

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