
この作品のデータ
| 作者 | 円山応挙 | 同じ作家の作品 3点 |
|---|---|---|
| 制作年 | 18世紀後半(制作年不詳) | |
| 時代 | 日本・近世まで | 同じ時代の作品 42点 |
| 様式 | — | |
| 種別 | 絵画 | |
| 技法・素材 | 紙本墨画(雲母入り)、二曲屏風 | |
| 所蔵 | 大英博物館ロンドン | |
| 有名度 | ★★★ | |
| 展覧会 | 江戸東京博物館リニューアル記念特別展「円山応挙 リアルの先へ 空間革命」東京都江戸東京博物館(東京都)2026年11月28日(土)〜2027年1月24日(日) | これから |
白い紙に、墨の線が数本引かれているだけの屏風です。この線は、湖に張った氷のひび割れを表しています。茶室で使う低い屏風で、蒸し暑い夏の茶会に冬の涼しさを呼びこむための品だったと考えられています。円山応挙が西洋の遠近法を取り入れて描きました。
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見どころ
奥へ消えていくひび
右の画面では、ひびの線が手前で太く、奥へ行くほど細く短くなります。西洋の消失点の考え方を使い、氷の面が遠くまで続いて見えるようにしています。
余白の白い氷
画面の大部分は、何も描かれていない白い紙のままです。その中に雲母の粒がちらしてあり、光を受けてきらきらと光ります。
左端の署名と印
左下の隅に、「應擧」の署名と印があります。応挙自身の作であることを示すものです。
座って見る遠近法
風炉先屏風は畳の上に置かれ、客は床に座ってこれを見ます。大英博物館の解説は、ひざをついた低い目線から見ると、氷が自分の前に広がっていくように見えると説明しています。
線の数はわずかですが、その置き方は計算されています。応挙は西洋の消失点を使った絵を依頼されるうちにこの技法を身につけ、平らな氷の広がりを数本の線で表しました。
写生の画家と弟子たち
応挙は円山派を開いた画家で、見たものを写す写実的な画風で知られています。遠近法の使い方は、森一鳳など後に続く画家たちにも受け継がれました。
装飾をそぎ落とした構図は、18世紀後半の日本の絵画によく見られるものです。同じ応挙の作品では、豪商・三井家に伝わった『雪松図屏風』が国宝に指定されています。
よくある疑問
- 『氷図屏風』はどこにある?
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ロンドンの大英博物館が所蔵しています。1982年に美術商ミルン・ヘンダーソンから購入されました。箱の書き付けから、かつては日本の前川家が所有していたことがわかっています。
- 何に使う屏風?
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茶の湯で使う「風炉先屏風」です。茶室の炉のそばに立てて、火を風から守ると同時に、茶道具の背景になります。低い二曲の屏風で、枠は塗りをかけない杉材です。
- なぜ氷を描いた?
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大英博物館の解説によれば、ひび割れた氷の線は、蒸し暑い夏の茶室に涼しさを感じさせるためのものです。冬の冷たさを思わせる絵を、夏に使ったと考えられています。
- 西洋画とどう関係がある?
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応挙が画家として歩み始めた頃、オランダ経由の学問である蘭学が広まっていました。応挙は若い頃、京都のおもちゃ商のために、遠近法で描いた「のぞき眼鏡」用の絵を手がけています。この屏風でも、その遠近法が使われています。
