
この絵は、若きレオナルドと師ヴェロッキオの共作とされています。修道院では長らくギルランダイオの作品と伝えられ、レオナルドの手によるものだと確認されたのは19世紀になってからでした。誰の依頼で描かれたのかは、いまもほとんどわかっていません。
見どころ
百合を手にする大天使
ガブリエルが手にする百合は、マリアの処女性とフィレンツェの街の象徴です。背中の翼は本来飛翔する鳥の翼を写したものでしたが、後世の画家によって長く伸びた翼に描き直されています。
書見台のマリア
書見台に置かれたマリアの腕の描写には、空間的なつながりの曖昧さが残っています。師ヴェロッキオが鉛を含む顔料で大胆な筆致を用いたのに対し、レオナルドは背景とガブリエルを柔らかな筆致で仕上げました。
大理石のテーブル
マリアの前に置かれた大理石のテーブルは、ヴェロッキオが同時期に手がけたメディチ家の墓碑彫刻を模したとみられています。
師弟による分担制作
ヴェロッキオは有鉛絵具を使い大胆な筆致で描き、レオナルドは無鉛絵具を使った柔らかな筆致で、自身に任された背景とガブリエルを仕上げました。マリアとテーブルの空間的な関連性や、書見台に置かれた腕の描写には、未熟な表現も見られます。
ギルランダイオ作という誤伝
この絵はフィレンツェ近郊の修道院に伝わっており、伝承ではドメニコ・ギルランダイオの作品とされていました。1867年にウフィツィ美術館が入手した後、1869年にドイツ人美術史家ワーゲンの鑑定手法に従ってカール・エドゥアルド・ライプハルトが調査し、レオナルドとヴェロッキオの作品と判断しました。当時はジョヴァンニ・モレッリなど異論を唱える研究者もいましたが、この説は広く受け入れられていきました。
史上3度目の館外展示
この絵は2007年、東京国立博物館での展覧会に貸し出されました。史上3度目の館外展示で、会期中に約80万人が来場しています。それ以外の期間は、ウフィツィ美術館での展示が続いています。
よくある疑問
- 『受胎告知』はどこにある?
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フィレンツェのウフィツィ美術館が所蔵しています。史上3度目の館外展示として東京国立博物館に貸し出されたことがありますが、通常は同館の常設展示です。
- 誰が描いた?
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レオナルド・ダ・ヴィンチと、彼の師アンドレア・デル・ヴェロッキオの共作と考えられています。かつてはドメニコ・ギルランダイオの作品という説もありましたが、現在ではレオナルドとヴェロッキオの共作でほぼ間違いないとされています。
- 何の場面が描かれている?
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『ルカによる福音書』にある、大天使ガブリエルが聖母マリアにキリストの受胎を告げる場面です。ガブリエルは、マリアが処女懐胎の奇跡によって「神の子」と呼ばれる息子を授かることを伝えています。
- 誰の依頼で描かれた?
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制作依頼主や初期の来歴については、ほとんどわかっていません。フィレンツェ近郊の聖バルトロメオ・ア・モンテオリーヴェト修道院に伝わっていた絵で、1867年にウフィツィ美術館が入手しました。
基本データ
- 作者
- レオナルド・ダ・ヴィンチLeonardo da Vinci
- 制作年
- 1472〜1475年頃
- 種別
- 絵画
- 技法・素材
- 油彩・テンペラ、板
- 寸法
- 98 × 217 cm
- 様式
- イタリア・ルネサンス
- 所蔵
- ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
- 展示室
- ルネサンス
レオナルド・ダ・ヴィンチのほかの作品
《岩窟の聖母》 《最後の晩餐》 《白貂を抱く貴婦人》 《ウィトルウィウス的人体図》 《モナ・リザ》
出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル