モーゼ像 (ミケランジェロ)

ミケランジェロ・ブオナローティ《モーゼ像 (ミケランジェロ)》1513〜1515年頃
モーゼ像 (ミケランジェロ)Moses
1513〜1515年頃
大理石、235 × 210 cm
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ聖堂(ローマ)
何がすごいのか

モーゼの頭には2本の角が生えています。これは聖書のラテン語訳における誤訳が原因とされ、本来は「光を放つ」という意味だったと考えられています。精神分析学者フロイトは1913年、この像の前で3週間考え込んだのち、翌年に分析エッセイを発表しました。

見どころ

石板を抱く右腕

右腕は「十戒」が記された石板を体に引き寄せ、指のあいだにひげの一部を挟んでいます。ヴァザーリは「まるで鑿が筆に変わったかのようだ」と、その繊細な質感を評しました。

頭に生えた2本の角

頭には2本の角が彫られています。これは聖書のラテン語訳「ウルガタ」で、モーセの顔を形容する語が「角のある」と誤訳されたことに由来するとされています。

宙に浮く左足のつま先

右足は床につき、左足はかかとを浮かせてつま先だけが触れています。いまにも立ち上がりそうな緊張感と、それをこらえる姿勢が同時に表現されています。

40体の構想から1体へ

教皇ユリウス2世は1505年、自身の墓所の建設をミケランジェロに依頼しました。当初の設計は40体を超える彫像を含む壮大なもので、モーゼ像は聖パウロ像と向かい合う高さ3.74メートルの段に置かれる予定でした。

墓所が完成したのは1545年、ユリウス2世の死から30年以上あとのことです。最終的な設計では、モーゼ像は最下段の中央に据えられました。

ベオグラードへ渡った複製

1931年、ユーゴスラビア王国の元財務相ヴォイスラヴ・ヴェリコヴィッチが教皇ピウス11世に働きかけ、モーゼ像を含む21点のミケランジェロ作品のブロンズ複製を依頼しました。

複製はベオグラードの私設美術館に収められましたが、戦後に国有化され、現在はベオグラード美術大学彫刻科で見ることができます。1971年にはニュージーランドのオークランドにも複製が設置されました。

よくある疑問

『モーゼ像』はどこにある?

ローマのサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ聖堂にあります。教皇ユリウス2世の墓所の一部として置かれています。

なぜ角が生えているの?

旧約聖書「出エジプト記」のラテン語訳ウルガタで、モーセの顔の様子を表す語が「角のある」と訳されたことに由来します。この誤訳に反ユダヤ的な意図があったとする説と、単なる翻訳上の慣例だとする説の両方があります。

誰が作った?

盛期ルネサンスの彫刻家ミケランジェロが、1513年から1515年頃に制作しました。教皇ユリウス2世が1505年に自身の墓所のために依頼したものです。

フロイトとどんな関係がある?

精神分析学者ジークムント・フロイトは1913年、この像の前で3週間を費やして観察し、翌1914年に分析エッセイを発表しました。像の姿勢を、怒りを抑え込んだ直後の一瞬だと解釈しています。

基本データ

制作年
1513〜1515年頃
種別
彫刻
技法・素材
大理石
寸法
235 × 210 cm
様式
盛期ルネサンス
所蔵
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ聖堂(ローマ)

ミケランジェロ・ブオナローティのほかの作品

《ピエタ》 《ダビデ像》 《アダムの創造》 《最後の審判》

出典・画像について

画像: Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0、撮影: Livioandronico2013)。元ファイル

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