
モーゼの頭には2本の角が生えています。これは聖書のラテン語訳における誤訳が原因とされ、本来は「光を放つ」という意味だったと考えられています。精神分析学者フロイトは1913年、この像の前で3週間考え込んだのち、翌年に分析エッセイを発表しました。
見どころ
石板を抱く右腕
右腕は「十戒」が記された石板を体に引き寄せ、指のあいだにひげの一部を挟んでいます。ヴァザーリは「まるで鑿が筆に変わったかのようだ」と、その繊細な質感を評しました。
頭に生えた2本の角
頭には2本の角が彫られています。これは聖書のラテン語訳「ウルガタ」で、モーセの顔を形容する語が「角のある」と誤訳されたことに由来するとされています。
宙に浮く左足のつま先
右足は床につき、左足はかかとを浮かせてつま先だけが触れています。いまにも立ち上がりそうな緊張感と、それをこらえる姿勢が同時に表現されています。
40体の構想から1体へ
教皇ユリウス2世は1505年、自身の墓所の建設をミケランジェロに依頼しました。当初の設計は40体を超える彫像を含む壮大なもので、モーゼ像は聖パウロ像と向かい合う高さ3.74メートルの段に置かれる予定でした。
墓所が完成したのは1545年、ユリウス2世の死から30年以上あとのことです。最終的な設計では、モーゼ像は最下段の中央に据えられました。
ベオグラードへ渡った複製
1931年、ユーゴスラビア王国の元財務相ヴォイスラヴ・ヴェリコヴィッチが教皇ピウス11世に働きかけ、モーゼ像を含む21点のミケランジェロ作品のブロンズ複製を依頼しました。
複製はベオグラードの私設美術館に収められましたが、戦後に国有化され、現在はベオグラード美術大学彫刻科で見ることができます。1971年にはニュージーランドのオークランドにも複製が設置されました。
よくある疑問
- 『モーゼ像』はどこにある?
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ローマのサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ聖堂にあります。教皇ユリウス2世の墓所の一部として置かれています。
- なぜ角が生えているの?
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旧約聖書「出エジプト記」のラテン語訳ウルガタで、モーセの顔の様子を表す語が「角のある」と訳されたことに由来します。この誤訳に反ユダヤ的な意図があったとする説と、単なる翻訳上の慣例だとする説の両方があります。
- 誰が作った?
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盛期ルネサンスの彫刻家ミケランジェロが、1513年から1515年頃に制作しました。教皇ユリウス2世が1505年に自身の墓所のために依頼したものです。
- フロイトとどんな関係がある?
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精神分析学者ジークムント・フロイトは1913年、この像の前で3週間を費やして観察し、翌1914年に分析エッセイを発表しました。像の姿勢を、怒りを抑え込んだ直後の一瞬だと解釈しています。
基本データ
- 作者
- ミケランジェロ・ブオナローティMichelangelo
- 制作年
- 1513〜1515年頃
- 種別
- 彫刻
- 技法・素材
- 大理石
- 寸法
- 235 × 210 cm
- 様式
- 盛期ルネサンス
- 所蔵
- サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ聖堂(ローマ)
- 展示室
- ルネサンス
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出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0、撮影: Livioandronico2013)。元ファイル