
神とアダムの人差し指は、実は触れていません。生命を吹き込もうとする、まさにその瞬間が描かれています。神を包む赤い布の輪郭は解剖学的に正確な人間の脳と一致すると1990年に医学誌で指摘され、垂れ下がる緑の帯はへその緒だとする説もあります。
見どころ
触れ合わない指先
神とアダムの人差し指は、あと数ミリのところで触れていません。生命を吹き込もうとする瞬間そのものが表現され、人間性を表す最も有名な図像として無数に模倣されてきました。
脳の形をした赤い布
神を包む赤い布と背景の布の輪郭は、1990年に医学誌で解剖学的に正確な人間の脳の形と一致すると指摘されました。神を取り巻く人物たちも大脳の各部位に対応するという分析があります。
アダムに垂れる緑の帯
アダムの下腹部から垂れ下がる緑の帯は、切断されたばかりのへその緒だと解釈する研究者がいます。母体から生まれていないはずのアダムにへそが描かれていることの説明としても語られています。
礼拝堂天井の9場面のひとつ
システィーナ礼拝堂の天井には、旧約聖書『創世記』を題材にした9つのエピソードが描かれています。『アダムの創造』はその4番目にあたり、一連の壁画のなかでも最も有名な作品とされています。その名声はレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』に匹敵するとまで言われています。
映画やパロディに繰り返される構図
この構図は世界的に広く知られ、さまざまな作品に引用されてきました。映画『ベン・ハー』のオープニングタイトルでの使用が特に有名です。2009年の映画『2012』では、天井が崩れ始めるのが神とアダムの指先の部分からという演出があります。コメディロックバンドのテネイシャスDは2006年のアルバムジャケットでこの構図のパロディ写真を使い、ほかにも『E.T.』のポスターや複数の映画作品に同様の構図が見られます。
よくある疑問
- 『アダムの創造』はどこにある?
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バチカン美術館内、システィーナ礼拝堂の天井に直接描かれたフレスコの一部です。旧約聖書を題材にした9つの場面の4番目にあたります。壁画そのものは動かせず、礼拝堂で天井を見上げて見学します。
- 神の周りにいる人物は誰?
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神の左手に抱えられた人物が誰かは諸説あります。最初の女性イヴとする説、聖母マリアとする説、知恵の象徴ソフィアとする説、女性の姿をした天使とする説などがあり、特定されていません。
- なぜ指先が触れていないの?
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生命を吹き込もうとする、まさにその瞬間を描くための構図とされています。中世の聖歌『来たり給え、創造主なる聖霊よ』にある「御尊父の右手の指」という歌詞が着想源になった可能性が指摘されています。
- 脳の形をした布というのは本当?
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1990年に医学博士フランク・リン・メッシュバーガーが医学誌で指摘し、別の医学博士マーク・リー・アプラーが検証しました。神の周辺の形が大脳の脳溝や脳幹、前頭葉などと一致すると結論づけられていますが、数ある解釈のひとつです。
基本データ
- 作者
- ミケランジェロ・ブオナローティMichelangelo
- 制作年
- 1511年ごろ
- 種別
- 絵画
- 技法・素材
- フレスコ
- 様式
- 盛期ルネサンス
- 所蔵
- バチカン美術館(バチカン市国)
- 展示室
- ルネサンス
ミケランジェロ・ブオナローティのほかの作品
《ピエタ》 《ダビデ像》 《モーゼ像 (ミケランジェロ)》 《最後の審判》
出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル