眠るジプシー女

アンリ・ルソー《眠るジプシー女》1897年
アンリ・ルソーHenri Rousseau
眠るジプシー女The Sleeping Gypsy
1897年
油彩、カンヴァス、129.5 × 200.7 cm
ニューヨーク近代美術館
何がすごいのか

ルソー自身がこの絵の意味を書き残しています。「疲れ果てて眠る放浪の女性を、迷い込んだライオンが見つけるが、食いつかない」。故郷ラバルへの寄贈は失敗に終わりました。今はニューヨーク近代美術館の代表作です。

見どころ

横たわる眠り姫

マンドリンを弾きながら旅する放浪の女性が、疲れ果てて深い眠りについています。中近東風の衣装をまとった姿です。

忍び寄るライオン

さまよってきたライオンが眠る女性を見つけますが、噛みついてはいません。獣たちを庇護する王としてライオンを解釈する読み方があります。

傍らのマンドリンと壺

女性の隣には壺が置かれています。不毛な砂漠を舞台に、月明かりが詩的な雰囲気を添えている情景です。

画家自身が書き残した説明

ルソーは故郷の町ラバルにこの絵を寄贈しようとした際、風俗画だと断ったうえで場面の説明を書いています。マンドリンを弾きながら放浪する女性が壺を傍らに置いて疲れ果てて深い眠りにつき、迷い込んだライオンが彼女を見つけても食いつかない、月明かりの下の砂漠の情景だという内容です。しかし町の幹部は当時の一般的な感覚でこの絵を見たため、寄贈は実現しませんでした。当時ルソーの作品を評価していたのは、ごく少数の批評家や画家に限られていました。

象徴として読まれる絵

不毛の砂漠にライオンという特徴的な構図は、アカデミック美術の画家ジャン=レオン・ジェロームの作品から影響を受けたものとされています。ジプシーはルソー自身の投影であり、ライオンは獣たちを庇護する王だと解釈されています。危機のないまま静かに向き合う二者の姿が、この絵の詩的な雰囲気を支えています。

死後に見出された絵

1897年のアンデパンダン展でも買い手はつかず、パリの石炭商人がこの絵を購入しました。ルソーの没後に評価が高まり、1924年に美術評論家ルイ・ボークセルがこの絵を発見し、画商ダニエル=ヘンリー・カーンワイラーが購入しています。その後所有者が変わり、1939年にニューヨーク近代美術館の所蔵となりました。

よくある疑問

『眠るジプシー女』はどこにある?

ニューヨーク近代美術館の所蔵です。サイモン・グッゲンハイム夫人の寄贈によって同館のコレクションに加わりました。

何が描かれている?

ルソー自身の説明によれば、マンドリンを弾きながら放浪する女性が疲れ果てて眠り込み、そこへライオンがさまよってきて彼女を見つけたものの、食いつかずにいる場面です。舞台はまったく不毛な砂漠で、月明かりが詩的な効果を生んでいます。

なぜライオンは女性を襲わない?

ライオンは獣たちを庇護する王として解釈されています。眠る女性はルソー自身の投影とされ、危機のない静かな場面として描かれています。

この絵はもともと売れなかった?

はい。1897年の第13回アンデパンダン展に出展されましたが買い手がつかず、ルソーは故郷ラバルの市長に安値での購入を依頼しましたが実現しませんでした。最終的にパリの石炭商人が購入しています。

基本データ

作者
アンリ・ルソーHenri Rousseau
制作年
1897年
種別
絵画
技法・素材
油彩、カンヴァス
寸法
129.5 × 200.7 cm
様式
素朴派
所蔵
ニューヨーク近代美術館

アンリ・ルソーのほかの作品

《蛇使いの女》 《夢》

出典・画像について

画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!