
アンリ・ルソーが亡くなる数か月前に仕上げた最後の作品です。横たわる裸婦は、若き日の恋人ヤドヴィガがモデルとされています。長年酷評されてきたルソーに対し、この絵だけは詩人ギヨーム・アポリネールが「美にあふれている」と称賛しました。絵の意味が伝わるようにと、詩まで添えて出品しています。
見どころ
横たわるヤドヴィガ
画面左側に横たわる裸婦は、ルソーの若いころの恋人ヤドヴィガがモデルとされています。蓮の花や生い茂る草むらを見つめながら横たわっています。
闇に浮かぶ笛吹き
画面中央、満月の薄明かりの下でかろうじて見えるのが、正面を向いて縦笛を吹く黒人のヘビ使いです。裸婦の伸ばした左腕は、この奏者の方角へ向かっています。
見つめるライオンたち
草むらの奥には雌雄のライオンが目を光らせ、ゾウやサル、鳥、下生えを這うピンク色のヘビも描き込まれています。ルソーはパリの植物園で観察した植物をもとに描きました。
死の直前に完成した作品
『夢』は1910年3月18日から5月1日までアンデパンダン展で展示され、その後の9月2日にルソーは亡くなりました。本作はルソーが手掛けたジャングルの絵のうち最大の作品で、生涯最後に制作されたものです。
詩を添えて出品した理由
ルソーは鑑賞者が絵の意味を理解できないかもしれないと考え、「『夢』のための献詞」と題した詩を添えて出品しました。ルソーの初期作品は否定的な評価を受けていましたが、この絵に対し詩人で批評家のギヨーム・アポリネールは「美にあふれている」と評しています。
買い取られてMoMAへ
1910年2月、画商アンブロワーズ・ヴォラールがルソーからこの絵を買い取りました。1934年に被服製造業者シドニー・ジャニスの手に渡り、1954年にネルソン・A・ロックフェラーが購入してニューヨーク近代美術館に寄贈しています。
よくある疑問
- 『夢』はどこにある?
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ニューヨーク近代美術館(MoMA)が所蔵しています。画商アンブロワーズ・ヴォラールが購入した後、複数の所有者を経て、ネルソン・A・ロックフェラーがMoMAの創立25周年に寄贈しました。
- 誰が描いた?
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素朴派の画家アンリ・ルソーが1910年に手がけた油彩画です。ジャングルをテーマにした25を超える絵の1つで、ルソーが亡くなる年に完成させた最後の作品です。
- モデルは誰?
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画面左に横たわる裸婦は、ルソーの若いころのポーランド人の恋人ヤドヴィガがモデルとされています。ルソーは制作中、店員レオニーと恋愛関係にありました。
- なぜジャングルに裸婦がいるの?
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ルソーは美術批評家への手紙で、ジャングルでフルート奏者に耳を傾けている夢を見ている、パリの横たわる女性を描いたと説明しています。横たわる裸婦という主題自体は、ティツィアーノの『ウルビーノのヴィーナス』やマネの『オリンピア』に連なる伝統的な画題です。
基本データ
- 作者
- アンリ・ルソーHenri Rousseau
- 制作年
- 1910年
- 種別
- 絵画
- 技法・素材
- 油彩、カンヴァス
- 寸法
- 204.5 × 298.5 cm
- 様式
- 素朴派
- 所蔵
- ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)
- 展示室
- 印象派以後
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出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル