笛を吹く少年

エドゥアール・マネ《笛を吹く少年》1866年
笛を吹く少年The Fif
1866年
油彩、161 × 97 cm
オルセー美術館(パリ)
何がすごいのか

背景をほとんど描かずに人物だけを浮かび上がらせたこの絵は、ベラスケスの『道化パブロ・デ・バリャドリード』を見たマネが「背景が消え、空気だけが人物を包んでいる」と手紙に書いた経験が反映されているとされています。少年が絵のとおりに指を置いて笛を吹くと「ソ」の音が鳴るよう、指づかいまで正確に描かれています。

見どころ

息子に似せた顔立ち

少年の顔立ちは、マネの息子レオン(レオン・コエラ、1852年生まれ)に似せて描かれたという説があります。もとはフランス近衛軍鼓笛隊のマスコット的な少年がモデルになったとされています。

「ソ」の音が鳴る指づかい

笛を握る指の位置は正確に描かれていて、絵のとおりに指を置いて吹くと「ソ」の音が鳴るといわれています。楽器は木製の横笛「ファイフ」です。

背景を消した単純な衣装

背景は塗りつぶされ、赤いズボンと金ボタンの上着だけが平面的に浮かび上がっています。日本の浮世絵の影響で単純化され、似絵のように見える表現とされています。

ベラスケスからの影響

『オランピア』が酷評され、マネはスペインへ逃れました。そこでプラド美術館所蔵のベラスケス『道化パブロ・デ・バリャドリード』を見て強い衝撃を受け、友人アンリ・ファンタン=ラトゥールへの手紙に感想をつづり、彼を「画家の中の画家」と呼んでいます。背景をほとんど描かず人物だけを浮かび上がらせる本作の手法には、この経験が反映されているとされています。

浮世絵を思わせる平面性

日本の浮世絵の影響もあり、画面は単純化されて似絵のように見えます。奥行きを感じさせる陰影がほとんどなく、少年の姿は輪郭と色面だけで構成されています。赤いズボンと金ボタンの上着という軍服の色が、背景から切り離されたように平らに塗られています。

モデルをめぐる説

描かれているのはフランス近衛軍鼓笛隊のマスコット的な少年とされていますが、顔の部分だけはマネの息子レオン・コエラに似せて描かれたという説もあります。真偽ははっきりしておらず、あくまで一説として伝えられています。

よくある疑問

『笛を吹く少年』はどこにある?

パリのオルセー美術館の所蔵です。

モデルは誰?

フランス近衛軍鼓笛隊のマスコット的な少年を描いたとされています。ただし顔の部分だけは、マネの息子レオン(レオン・コエラ、1852年 – 1927年)に似せて描かれたという説もあります。

なぜ背景がない?

マネは『オランピア』が不評だったためスペインへ渡り、プラド美術館でベラスケスの『道化パブロ・デ・バリャドリード』を見て、「背景が消え、空気だけが人物を包んでいる」とファンタン=ラトゥールへの手紙に書いています。この経験が背景を大胆に省いた本作に反映されているとされています。

何の楽器を吹いている?

木製の横笛「ファイフ」です。絵に描かれた指づかいをそのまま真似て吹くと、「ソ」の音が鳴るといわれています。

基本データ

作者
エドゥアール・マネÉdouard Manet
制作年
1866年
種別
絵画
技法・素材
油彩
寸法
161 × 97 cm
所蔵
オルセー美術館(パリ)
展示室
近代

エドゥアール・マネのほかの作品

《草上の昼食》 《オランピア》 《フォリー・ベルジェールのバー》

出典・画像について

画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!