
横殴りの雨と霧の中を疾走する蒸気機関車を、極端な遠近法で描いた絵です。機関車の前には実際には見えないはずのボイラーの赤い炎が描き込まれ、力強さを強調しています。ターナーは展覧会直前の手直しの期間に、スピードの象徴として野ウサギを描き加えました。
見どころ
機関車の赤い炎
黒い蒸気機関車は当時世界最大とうたわれたグレート・ウェスタン鉄道のもの。実際には見えない位置にあるボイラーの火が赤く描き込まれ、エンジンの力強さが強調されています。機関車の上からは蒸気がもくもくと立ちのぼり、霧の向こうに消えています。
疾走する野ウサギ
機関車の前を全速力で駆ける野ウサギが描き込まれています。ターナーが展覧会前の手直しの期間に描き加えたもので、逃げ足の速さからスピードを表す象徴とされています。
テムズ川に架かる橋
舞台はロンドンから西へ50キロメートルほどのメイデンヘッド付近。2つの大きな楕円形アーチで構成されたレンガ造りの橋は、技師イザムバード・キングダム・ブルネルの設計で1839年に完成しました。
遠近法で描かれた速度
雨が横殴りに降り、霧が一面に立ちこめる中を、当時世界最大とうたわれたグレート・ウェスタン鉄道の黒い蒸気機関車が、テムズ川に架かる鉄道橋の上を猛スピードで疾走してきます。この情景は極端な遠近法で描かれています。
舞台はロンドンから西へ50キロメートルほど行ったメイデンヘッド付近です。2つの大きな楕円形アーチからなるレンガ造りの橋は、技師イザムバード・キングダム・ブルネルの設計にもとづいて工事が行われ、1839年に完成しました。機関車が引く客車は、座席も屋根もない三等列車です。
スピードの象徴としてのウサギ
ターナーは、展覧会のオープニングに先立って会場内の作品に最後の手直しを行う期間に、機関車の前を全速力で駆ける野ウサギを描き加えました。ウサギは逃げ足の速さから、スピードを表す象徴として使われています。
印象派への影響
版画家フェリックス・ブラックモンは、1874年に開催された第1回印象派展に、本作を模写した銅版画『機関車、ターナーにもとづく』を出品しました。画家カミーユ・ピサロは1870年から1871年にかけてロンドンに滞在した際にこの絵を研究し、油彩画『ロードシップ・レーン駅、ダリッジ』を描いています。日本では山下達郎が1991年のアルバム『ARTISAN』で、本作を題材とした楽曲『ターナーの汽罐車 -Turner’s Steamroller-』を発表しました。
よくある疑問
- 『雨、蒸気、速度』はどこにある?
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ロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵しています。
- 何が描かれている?
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テムズ川に架かる鉄道橋の上を猛スピードで疾走する、グレート・ウェスタン鉄道の黒い蒸気機関車です。横殴りの雨と霧の中を進む様子が極端な遠近法で描かれています。機関車が引く客車は座席や屋根がない三等列車です。
- なぜウサギが描かれている?
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スピードを表す象徴として描き加えられました。ターナーは展覧会のオープニングに先立つ手直しの期間に、機関車の前を全速力で駆けるウサギを描き入れたと伝わっています。
- 後の画家に影響を与えた?
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版画家フェリックス・ブラックモンが本作を模写した銅版画を1874年の第1回印象派展に出品しています。画家カミーユ・ピサロも1870〜71年のロンドン滞在中にこの絵を研究し、油彩画『ロードシップ・レーン駅、ダリッジ』を描きました。
基本データ
- 作者
- ジョーゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーJ. M. W. Turner
- 制作年
- 1844年
- 種別
- 絵画
- 技法・素材
- 油彩、キャンバス
- 寸法
- 91 × 122 cm
- 様式
- 印象派
- 所蔵
- ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
- 展示室
- 近代
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出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル