
この作品のデータ
| 作者 | オーギュスト・ロダン | 同じ作家の作品 3点 |
|---|---|---|
| 制作年 | 1881〜1882年 | |
| 時代 | 印象派以後 | 同じ時代の作品 105点 |
| 様式 | 近代彫刻 | 同じ様式の作品 3点 |
| 種別 | 彫刻 | 同じ種別の作品 11点 |
| 技法・素材 | ブロンズ | |
| 所蔵 | ロダン美術館パリ | 同じ所蔵の作品 2点 |
| 有名度 | ★★★名画クイズの無料の54点に収録 |
ロダンの彫刻『考える人』は、もとは『詩人』という題で、『地獄の門』の上から地獄を見下ろす像として作られました。原型は1881〜1882年の作で、原作はパリのロダン美術館にあります。日本では上野の国立西洋美術館の前庭や京都国立博物館の庭などで実物を見ることができます。
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見どころ
顎を支える右手
前かがみになり、右肘を左腿に置いて、右手の甲で顎の重みを支えています。この姿勢は深い思索と瞑想の表現として受け取られてきました。
岩に座る裸体の男
像は岩に腰掛け、人々の行為と運命について思いをめぐらせる人物として表されています。もとは『地獄の門』欄間中央に置かれる要の像として構想されました。
筋肉質な体つき
筋肉質な体つきは、ロダンの他の作品にも登場するモデルの体格を反映しています。ミケランジェロの伝統に連なる英雄的な裸体像で、知性と詩の両方を表そうとしたとされます。
『地獄の門』の要の像
ロダンは1880年、フランス政府から装飾美術陳列館の正面大扉の制作を依頼されました。ダンテ・アリギエーリの『神曲』地獄篇に着想を得て『地獄の門』を構想し、その中央上部に置く要の像として本作を制作しています。
本作は当初『詩人』と題される予定で、地を見下ろして瞑想するダンテを象徴した像と説明されることがあります。一方で、ダンテは『神曲』の中で衣服をまとっているのに対しこの像は裸体で、体格もダンテ像とは一致しないとして、この解釈を限定的に見る見解もあります。
複数のサイズと日本にある像
原型は1881年から1882年にかけて制作されました。1888年に『地獄の門』から独立した作品として大型化され、1902年から1903年にかけて高さ186センチメートルの拡大版が作られています。拡大の作業は、ロダンの原型をもとに彫刻家アンリ・ルボッセが手がけました。
1904年のサロン出品で広く知られるようになり、公募でまかなわれた鋳造費用によりパリ市の所有となって、パンテオン前に設置されました。1922年にロダン美術館へ移されています。記念碑的な大きさのブロンズ像は、その後およそ29体が世界の美術館や公共空間に鋳造されました。数え方によって数は異なり、静岡県立美術館は同館と同じ型の拡大像を世界に21体としています。2022年6月には、1928年ごろにリュディエ鋳造所で作られた1体に、パリのクリスティーズで1400万ユーロの評価額が付けられました。
日本では、東京・上野の国立西洋美術館が前庭の拡大作と原寸の像を所蔵しています。前庭の拡大作(186×102×144センチメートル)は1926年にアレクシス・リュディエの鋳造所で鋳造されたもので、サンフランシスコ平和条約を経て1959年にフランス政府から同館へ引き渡されました。原寸の像(71.5×45×60センチメートル)は松方コレクションの1体です。京都国立博物館では、レンガ造りの本館を背にした庭の丸池のほとりに置かれています。
国立西洋美術館の前庭には、本作のもとになった『地獄の門』(高さ540センチメートル、1930〜1933年鋳造)と、同じくロダンの『カレーの市民』も置かれています。門の中央上部には小さな『考える人』が組み込まれていて、構想当初の姿と、独立した拡大作を同じ場所で見比べられます。静岡県立美術館が1994年に開いたロダン館も、『地獄の門』と『考える人』を展示しています。同館の『考える人』は高さ183センチメートルの拡大像で、1965年にジョルジュ・リュディエの鋳造所で鋳造された12体のうちの8番です。1991年度に齊藤了英から寄贈されました。
映画に登場する『考える人』
チャールズ・チャップリンの映画『独裁者』には、『ミロのヴィーナス』とロダンの『考える人』が、左腕を伸ばした姿に改変されて登場します。この場面はナチス式敬礼への暗示を通じて、芸術がナチス・ドイツのプロパガンダに取り込まれることを扱ったと説明されています。
収集家マックス・リンデが1904年に自邸の庭へ設置した鋳造像を、エドヴァルド・ムンクが絵画『リンデ博士の庭のロダンの考える人』に描いています。この鋳造像はのちにデトロイト美術館へ移されました。
読んだらクイズ
この拡大は、どの見どころ?

岩に座る裸体の男像は岩に腰掛け、人々の行為と運命について思いをめぐらせる人物として表されています。もとは『地獄の門』欄間中央に置かれる要の像として構想されました。
次に見る1枚
よくある疑問
- 『考える人』は何を考えている?
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もとは『地獄の門』の上から、足もとに広がるダンテ『神曲』の地獄を見下ろす像として構想されました。静岡県立美術館は、地獄に落ちた人々の運命に思いをめぐらせている姿と説明しています。門から独立したあとは特定の物語から切り離され、京都国立博物館は、何を考えているかは見る人の想像に委ねられていると解説しています。
- 『考える人』はどこにある?
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原作はパリのロダン美術館が所蔵しています。日本では、東京・上野の国立西洋美術館の前庭に高さ186センチメートルの拡大作があり、同館は原寸の像も所蔵しています。前庭では『地獄の門』と並んで置かれています。京都国立博物館では庭の丸池のほとりに置かれ、静岡県立美術館もロダン館に拡大像を所蔵しています。
- なぜ『考える人』という名前なの?
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もとは『詩人』と題される予定でした。『地獄の門』の細部を手がけた鋳造家が、ミケランジェロによるロレンツォ2世・デ・メディチ像『イル・ペンシエローソ(思索する人)』との類似に注目して名づけたのが通称として定着したとされています。
- モデルは誰?
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ロダンの他の作品と同じく、筋骨たくましいフランスのボクサー兼レスラーのジャン・ボーがモデルとされています。ボーはフェルディナント・ホドラーが手がけた1911年のスイス・フラン紙幣にも描かれています。
オーギュスト・ロダンのほかの作品
出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル



