メランコリア I

アルブレヒト・デューラー《メランコリア I》1514年
メランコリア IMelencolia I
1514年
エングレーヴィング(銅版画)、紙、24.2 × 18.8 cm
コンデ美術館
何がすごいのか

デューラーが銅版画に埋め込んだ4×4の魔方陣は、縦・横・斜めだけでなく四隅の2×2マス4組もすべて合計34になる精巧な数字合わせです。下段中央には制作年の1514が並んでいます。四体液説で「憂鬱」を擬人化した天使が、道具に埋もれて座り込んでいます。

見どころ

1514を刻む魔方陣

4×4の魔方陣には、縦・横・斜めの合計だけでなく、四隅の2×2マス、中央の2×2マス、上下左右の帯の合計もすべて34になる仕掛けがあります。下段の中央2マスには制作年の1514が並びます。

物思いに沈む天使

頭を抱えた天使が、目の前に広がる忙しい光景を見つめて憂鬱に沈んでいます。四体液説における人間の性格の一つ「憂鬱」を擬人化した姿です。

床に散らばる木工道具

グローハンマーや鋸、鉋、はしごなど、床には木工道具が散らばっています。かたわらには痩せた犬が寝そべっています。

四体液説の「憂鬱」

古代からの四体液説では、人間の性格は血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁の4つの体液の配分で決まるとされました。本作は、その一つである「憂鬱」を擬人化した銅版画です。デューラーの代表作で、『書斎の聖ヒエロニムス』『騎士と死と悪魔』とともに三大銅版画と呼ばれています。

数字に込められた仕掛け

砂時計の隣に描かれた4×4のユピテル魔方陣には、偉業を達成した年である1514が埋め込まれています。縦・横・斜めのどの列も合計は34になり、四隅の2×2マス、中央の2×2マス、上下左右の帯の2×2マスもすべて同じ34になるよう数字が配置されています。

後世への影響

本作は多くの画家に影響を与えました。ルーカス・クラナッハは1532年に『メランコリー』を、ヨースト・アマンは1589年に同名の作品を描いています。19世紀にはカスパー・ダーヴィト・フリードリヒも本作を意識した作品を残しました。

よくある疑問

『メランコリア I』はどこにある?

銅版画のため、各地の美術館・博物館に刷りが所蔵されています。コンデ美術館(フランス)のほか、大英博物館、ナショナル・ギャラリー・オブ・アート、クリーヴランド美術館などが所蔵しています。

何が描かれている?

憂鬱に沈む天使を中心に、魔方陣、砂時計、秤、菱面体、木工道具、寝そべる犬、タブレットに何か描くプット、空にはコウモリのような生き物などが寓意的に描かれています。

魔方陣にはどんな秘密がある?

縦・横・斜めのどの列も合計34になるほか、四隅・中央・上下左右の帯の2×2マスもすべて34になります。下段中央の2マスには制作年の1514が組み込まれています。

「三大銅版画」とは?

デューラーの代表作である本作、『書斎の聖ヒエロニムス』、『騎士と死と悪魔』の3点を指します。

基本データ

制作年
1514年
種別
版画
技法・素材
エングレーヴィング(銅版画)、紙
寸法
24.2 × 18.8 cm
様式
ドイツのルネサンス期
所蔵
コンデ美術館

アルブレヒト・デューラーのほかの作品

《自画像》 《野兎》

出典・画像について

画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル

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