
ヴェネツィアのフラーリ聖堂を飾る高さ6.9メートルの祭壇画。ティツィアーノのサインは目立たない位置、画面最下部の人物の足元にひっそり記されています。この絵の評判で、ティツィアーノはベッリーニの後任として公式画家に就任しました。
見どころ
黄金の光を昇る聖母
画面中央では、赤い衣に青いマントをまとった聖母マリアが、天使たちに囲まれながら黄金色の天空へと昇っていきます。祭壇画全体の中心をなす場面です。
戴冠を待つ場面
画面最上部には父なる神が描かれ、その左右に大天使ミカエルと、王冠を掲げる小さな天使が配されています。画面は半円状に区切られ、マリアの頭部がその中心に来るよう構図が組まれています。
足元に隠されたサイン
画面最下部、赤い服で両手を高く上げている人物の左足の付近に、「TICIANVS」というティツィアーノの署名が小さく入れられています。
公式画家への就任
本作が高く評価されたことで、ティツィアーノはヴェネツィアでの名声を確立しました。ジョヴァンニ・ベッリーニが亡くなったのち、ティツィアーノはセンサリーアと呼ばれる公式画家の地位を引き継いでいます。
もう一つの祭壇画を生んだ成功
本作の評判を受けて、キプロス島の司教ヤコポ・ペーザロが新たな祭壇画を注文しました。これが『ペーザロの祭壇画』です。1519年から1526年にかけて制作され、同じフラーリ聖堂の左側廊に置かれています。
よくある疑問
- 『聖母被昇天』はどこにある?
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イタリア・ヴェネツィアのサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂に、設置当初から今も同じ場所にあります。同じ聖堂には、この絵の成功をきっかけに注文された『ペーザロの祭壇画』も収められています。
- 同じ題名の絵がもう一点あるって本当?
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本当です。ティツィアーノは同じ主題の『聖母被昇天』をドゥブロヴニク大聖堂のためにも描いており、同名の作品が2点確認されています。一般に「ティツィアーノの聖母被昇天」として紹介されるのは、フラーリ聖堂にあるこちらの作品です。
- いつ完成した?
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1516年に制作が始まり、1518年に完成しました。同年5月19日に聖堂内へ設置されています。
- 何が描かれている?
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画面は上・中・下の三段に分かれています。上部に父なる神、中央に天使に囲まれて昇天する聖母マリア、下部に驚き動揺する使徒たちが描かれています。
基本データ
- 作者
- ティツィアーノ・ヴェチェッリオTitian
- 制作年
- 1516〜1518年
- 種別
- 絵画
- 技法・素材
- 油彩、カンヴァス
- 寸法
- 690 × 360 cm
- 様式
- ヴェネツィア派
- 所蔵
- サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂(ヴェネツィア)
- 展示室
- ルネサンス
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出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル