黄道十二宮

アルフォンス・ミュシャ《黄道十二宮》1896年
黄道十二宮Zodiac
1896年
リトグラフ、紙
何がすごいのか

この絵は、もともと1897年用のカレンダーの依頼で描かれました。その後何度も流用され、少なくとも9種類のバリエーションがあります。翼のあるケルビムを描いた特別版は装飾パネルとして売られ、1970年にはアメリカのロックバンドのアルバムジャケットにも使われました。

見どころ

横顔と髪飾り

横を向いた女性の顔を中心に配置することで、美しい装飾をもった髪飾りが画面の中心に来る構図です。優美な横顔と滑らかな線の装飾が調和し、「ミュシャ様式」と呼ばれる作風の代表例になっています。

女性を取り巻く12星座

中心の女性の周りには、西洋占星術における12星座が描かれています。装飾と図像が一体になったミュシャらしい構成です。

暦が入っていた下段

基本のバージョンでは、この下段の枠にその年の暦が印刷されて使われました。翼を持つ智天使(ケルビム)が描かれた特別なバージョンは、暦を入れずに装飾パネルとして製作されています。

カレンダーから装飾パネルへ

この絵はもともと、印刷業者シャンプノワが1897年用カレンダーのために依頼したものでした。完成後すぐに雑誌『ラ・プリュム』の編集者がその年のカレンダーに流用し、その後も繰り返し別の用途で使われて、少なくとも9種類のバリエーションが生まれています。下段の枠には基本的に暦が印刷されましたが、翼を持つ智天使が描かれた特別なバージョンでは暦を省き、装飾パネルとして製作されました。ミュシャの作品には、当初ポスターやカレンダーとして作られながら、人気の高さから後に装飾パネルとして売り出されたものがほかにもあり、1897年の『夢想』などが同じ例として挙げられています。

ミュシャ様式を象徴する一枚

横を向いた女性の顔を中心に据えることで、髪飾りの装飾が画面中央に配置される構図になっています。華麗な装飾と印象的な女性像を組み合わせた作風は「ミュシャ様式」と呼ばれ、この絵はミュシャの代表作のひとつです。優美な横顔と滑らかな線による装飾の調和が、華やかな雰囲気を生んでいます。

音楽アルバムにも

この絵の人気は美術の分野にとどまりません。アメリカのロックバンド、ジプシーが1970年に発売した自身の名を冠したアルバムのジャケットに、この絵が採用されています。

よくある疑問

『黄道十二宮』はどこにある?

特定の所蔵美術館は伝わっていません。カレンダーや装飾パネルとして繰り返し印刷・流用されたため、複製やバリエーションが数多く残っています。

何が描かれている?

横向きの女性の顔を中心に、その周りに西洋占星術の12星座が配置されています。横顔にすることで、髪飾りの装飾が画面の中心に来る構図になっています。

なぜバリエーションが多い?

もともとは印刷業者シャンプノワが1897年用カレンダーのために依頼した作品でした。その後すぐに雑誌『ラ・プリュム』の編集者がその年のカレンダーに流用し、以降も繰り返し使われて少なくとも9種類のバリエーションが生まれています。

音楽アルバムに使われたことがある?

はい。アメリカのロックバンド、ジプシーが1970年に発売したアルバム『ジプシー』のジャケットに採用されています。

基本データ

制作年
1896年
種別
版画
技法・素材
リトグラフ、紙

アルフォンス・ミュシャのほかの作品

《ジスモンダ》

出典・画像について

画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル

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