床削り

ギュスターヴ・カイユボット《床削り》1875年
床削りLes raboteurs de parquet
1875年
油彩、カンヴァス、102 × 147 cm
オルセー美術館(パリ)
何がすごいのか

ブルジョワ邸宅の床を削る都市労働者を描いたこの絵は、1875年のサロンでは「主題が低俗」として落選しました。ミレーやクールベが農村の労働者を描いた例はあっても、都市労働者を描いた作品はまだ少ない時代でした。エミール・ゾラは「写真のように正確すぎる」と評しています。

見どころ

裸の上半身の労働者

床を削る職人たちは上半身裸で描かれ、まるで古代の英雄のような姿です。ミレーやクールベと異なり、カイユボットは社会的・政治的なメッセージを排して淡々と描いています。

高い視点からの遠近法

画面は高い視点から捉えられ、強調された遠近法で床板の並びが伝統的な約束にのっとって描かれています。カイユボットはレオン・ボナのもとでアカデミックな絵画を学びました。

窓辺の瓶

窓辺に置かれた瓶などの小物も冷静に写実的に描き込まれています。仕草や道具を丹念に観察した描写が、この絵の特徴とされています。

サロンで落選した理由

カイユボットはこの作品を1875年のサロン・ド・パリに提出しましたが、落選しました。一部の批評家からは、労働者を主題にすること自体が低俗だと評されました。

印象派展での賛否

1876年の印象派第2回グループ展に、本作を含む2点の『床削り』を『ピアノを弾く若い男』などとともに出展しました。批評は全体的に厳しかったものの、デュランティはカイユボットの鋭いデッサン力や都市風俗の描写を称賛しています。一方ゾラは、写真のように正確すぎる描写を芸術的に劣ると評しました。

オルセー美術館に至るまで

カイユボットが1894年に亡くなると、遺言執行者を務めたルノワールを通じてフランス政府に寄贈され、1896年にリュクサンブール美術館に収められました。1929年にルーヴル美術館へ、1986年にオルセー美術館へと移管されて現在に至ります。

よくある疑問

『床削り』はどこにある?

パリのオルセー美術館が所蔵しています。カイユボットの遺言執行者ルノワールを通じて1896年にリュクサンブール美術館へ、1929年にルーヴル美術館、1986年にオルセー美術館へと移管されました。

誰が描いた?

印象派の画家ギュスターヴ・カイユボットが1875年に描きました。カイユボットは同じ主題でもう1点『床削り』を制作しており、2点とも1876年の印象派第2回グループ展に出展されています。

評価はどうだった?

1875年のサロン・ド・パリでは主題が低俗だとして落選しました。1876年の印象派展でも批評家の評価は厳しく、エミール・ゾラは写真のように正確すぎて芸術的に劣ると評しました。一方、批評家ルイ・エドモン・デュランティはカイユボットの鋭いデッサン力を称賛しています。

何が描かれている?

ブルジョワ階級の邸宅で、鉋やスクレーパーを使って床を仕上げる都市労働者の姿です。当時、農村の労働者を描いた絵はありましたが、都市労働者を主題にした作品は珍しいものでした。

基本データ

制作年
1875年
種別
絵画
技法・素材
油彩、カンヴァス
寸法
102 × 147 cm
様式
印象派
所蔵
オルセー美術館(パリ)

出典・画像について

画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル

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