
この作品のデータ
| 作者 | グラント・ウッド | |
|---|---|---|
| 制作年 | 1930年 | |
| 時代 | 印象派以後 | 同じ時代の作品 105点 |
| 様式 | リージョナリズム | |
| 種別 | 絵画 | |
| 技法・素材 | 油彩、ビーバーボード | |
| 所蔵 | シカゴ美術館シカゴ | 同じ所蔵の作品 3点 |
| 有名度 | ★★★名画クイズで出題(全作品の解放) |
笑わない2人は夫婦に見えますが、実は父親と娘です。娘役にはウッドの妹を、農夫役には家族の歯科医を起用しました。グラント・ウッドが1930年に描き、シカゴ美術館が所蔵するこの絵は、20世紀アメリカ絵画で最も有名な作品の一つとされ、繰り返しパロディの題材になってきました。
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見どころ
親子として描かれた2人
しばしば夫婦と間違われますが、ウッド自身は2人を父と娘として描いたと手紙に書き残しています。娘のモデルは妹のナン・ウッド・グラハム、農夫のモデルはウッド家の歯科医バイロン・マッキービィでした。
反復する垂直の線
農夫が手にする三叉のピッチフォークの意匠は、オーバーオールの縫い目や、面長な農夫の輪郭にも繰り返し現れています。ゴシック様式の家の垂直線を強調する構成です。
ゴシック様式の窓
背景の家は、アイオワ州エルドンにある「ディブル邸」で、現在は「アメリカン・ゴシック・ハウス」と呼ばれています。カーペンター・ゴシック様式の窓が、この絵の題名の由来になりました。
妹と歯科医がモデルになった絵
1930年8月、アイオワ州エルドンをドライブしていたウッドは、カーペンター・ゴシック様式の小さな白い家「ディブル邸」に目を留めました。所有者の了承を得て前庭から板紙に油彩でスケッチを描き、シーダーラピッズのアトリエに戻ってから、この家に住んでいそうな人物として農夫と娘を描き加えました。娘には妹のナン・ウッド・グラハムを起用し、母の古いドレスから外したリックラックを縁に付けたエプロンを着せています。農夫には家族の歯科医バイロン・マッキービィを起用し、オーバーオールにジャケットを羽織らせ、右手にピッチフォークを持たせました。
反発と再解釈
この作品はシカゴ美術館の展覧会に出品され、ある審査員は「コミカルなバレンタイン」と酷評しましたが、後援者の働きかけで銅メダルと賞金300ドルが授与され、そのまま美術館の所蔵品になりました。発表直後は各地の新聞で紹介されましたが、地元シーダーラピッズの新聞で紹介されると、住民から反発が起こりました。ウッドはこれを風刺ではなくアイオワ州への感謝だと説明しています。その後、世界恐慌が深刻化すると、この絵は開拓者精神を描いたものとして肯定的に受け止められるようになりました。
題名の意味と「古い家族アルバム」
題名の「ゴシック」は、人物ではなく背景の家の建築様式「カーペンター・ゴシック」を指しています。1880年代に流行した木造家屋の様式で、簡素な板張りの家にゴシック風の尖頭窓を付けたものです。ウッドは2人の人物について、自分の古い家族アルバムの写真のように描いたと語っており、硬い姿勢と古風な服装で、ひと昔前の世代を思わせる姿にしています。
シカゴ美術館によると、1930年に同館で展示されると、人物の曖昧な表情から、近代化に取り残された中西部の人々への風刺だと受け取る人が多くいました。一方でウッド自身は、農村の価値観を肯定的に描くつもりだったとされ、世界恐慌の始まりの時期に安心感を与える絵として受け止められるようになりました。ウッドは中西部の農村を主題にした「地方主義(リージョナリズム)」の画家の一人に数えられています。
大衆文化のパロディ
世界恐慌時代、写真家ゴードン・パークスは星条旗の前で箒を持つ掃除婦を撮影し、この絵をパロディ化しました。これが最初のパロディ化とされ、その後もミュージカルや映画、テレビ番組で繰り返しパロディの題材になっています。2017年には英国ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツが発表した「最もパロディ化された芸術作品10選」にも選ばれました。
モデルになったディブル邸は1974年にアメリカ国家歴史登録財に登録され、現在は「アメリカン・ゴシック・ハウス・センター」として見学できます。同じくアメリカ出身の画家による作品には、ホイッスラーの『灰色と黒のアレンジメント 第1番』があります。
読んだらクイズ
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反復する垂直の線農夫が手にする三叉のピッチフォークの意匠は、オーバーオールの縫い目や、面長な農夫の輪郭にも繰り返し現れています。ゴシック様式の家の垂直線を強調する構成です。
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よくある疑問
- 『アメリカン・ゴシック』の意味は?題名の由来は?
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題名は、背景の家の建築様式「カーペンター・ゴシック」に由来します。1880年代に流行した木造家屋の様式で、尖ったゴシック風の窓が特徴です。絵の意味についてウッドは、中西部の人々を皮肉ったのではなく、農村の価値観を肯定的に描いたと説明しています。
- 『アメリカン・ゴシック』はどこにある?
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シカゴ美術館の所蔵です。展覧会出品時に美術館の後援者が購入を働きかけ、そのまま同館のコレクションになりました。
- モデルは誰?2人は夫婦?
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娘のモデルはウッドの妹ナン・ウッド・グラハム、農夫のモデルはウッド家の歯科医バイロン・マッキービィです。しばしば夫婦と誤解されますが、ウッドは1941年の手紙で「彼と一緒にいるすました女性は、成長した彼の娘です」と説明しており、2人は親子として描かれています。
- 『アメリカン・ゴシック』はなぜ有名?
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1930年にシカゴ美術館の展覧会で銅メダルを受け、各地の新聞で紹介されたことで広く知られました。世界恐慌の時期には開拓者精神を描いた絵として受け止められ、その後は写真家ゴードン・パークスの作品をはじめ、映画やテレビ番組で繰り返しパロディにされています。20世紀のアメリカ絵画で最も有名な作品の一つに数えられています。
- なぜ地元で議論になった?
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地元紙『ガゼット』に掲載されると、住民から「やつれて険しい清教徒的な人物として描かれた」という反発が起こりました。ウッドはアイオワ州を風刺したのではなく、感謝の気持ちを描いたのだと反論しています。
出典・画像について
画像: Wikimedia Commons(Public domain)。元ファイル



