ユダの接吻 (ジョット)

ジョット・ディ・ボンドーネ《ユダの接吻 (ジョット)》1303〜1305年ごろ
ユダの接吻 (ジョット)Kiss of Judas
1303〜1305年ごろ
フレスコ、漆喰、200 × 185 cm
スクロヴェーニ礼拝堂(パドヴァ)
何がすごいのか

礼拝堂を建てたのは、高利貸しで悪名高かった父の贖罪のために資金を出した商人でした。ユダは異端者や邪悪な者を表す黄色い衣でキリストを包み込むように接吻しています。群衆にもみくちゃにされながら至近距離で向き合う2人の横顔の対比は、ジョットの最も見事な創意のひとつとされています。

見どころ

黄色い衣のユダ

ユダは力いっぱい身体をキリストに押し付け、接吻しています。黄色は異端者や邪悪な者を示す色として使われました。

対照的な2人の横顔

尊厳を保ち穏やかなキリストの顔と、悪意に満ちたユダの顔が、至近距離で向かい合っています。ジョットの創意として名高い場面です。

耳を切り落とすペテロ

画面左端では、ペテロが祭司の従者マルコの耳を切り落とす瞬間が描かれています。腕を伸ばす仕草は、右側の祭司が手を伸ばす仕草と対応しています。

キリストの生涯を描く連作の1枚

『ユダの接吻』は、ジョットがスクロヴェーニ礼拝堂に描いたキリストの生涯を表す連作フレスコ画のうち、15番目の場面です。1305年に建てられたこの礼拝堂は、ジョットの代表作とされる壁画群で知られています。本作はその中でも特に名高い1枚です。

夜に設定された劇的な場面

群青の空を背景に、棒やハルバードの間から松明の火が輝いています。右側から群衆がキリストに向かって殺到し、手前の豪華な服を纏った人物が捕縛を命じているようです。ジョットは何人かの人物にスポットライトを当てるように描くことで、物語の要点をわかりやすく伝えています。

画面に奥行きを与える後ろ姿の人物

ペテロのすぐ右手前には、彼を制止しようとする人物が後ろ向きに描かれています。この人物は画面に立体感と奥行きを与えており、ジョットが自身の作品の中で繰り返し登場させている人物のひとつです。多くの群衆の顔にあふれた画面の中で、こうした背中や横顔の使い分けが場面の緊張感を高めています。

よくある疑問

『ユダの接吻』はどこにある?

イタリア・パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂にあります。ジョットが手がけたキリストの生涯を描く連作フレスコ画のひとつで、礼拝堂の壁に直接描かれています。

何の場面が描かれている?

新約聖書の福音書にある、ユダがキリストに接吻して祭司や兵士たちに合図し、キリストが捕らえられる場面です。ゲツセマネの園での祈りの直後の出来事です。

なぜスクロヴェーニ礼拝堂が建てられたの?

パドヴァの商人エンリコ・デッリ・スクロヴェーニが、高利貸しとして名高かった父の贖罪のために建てました。ジョットは礼拝堂の設計にも参加し、内部の壁画すべてを手がけました。

基本データ

制作年
1303〜1305年ごろ
種別
絵画
技法・素材
フレスコ、漆喰
寸法
200 × 185 cm
様式
Proto-Renaissance
所蔵
スクロヴェーニ礼拝堂(パドヴァ)

出典・画像について

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